高校生Jリーガー一覧（2022/8/5時点）

高校生Jリーガー

すごい響きですね。

Jリーガーというだけで神みたいな存在なのに、高校生の時点でそれになってしまっている選手が世の中には存在するのです。

1997年に17歳171日でJ1に出場した稲本潤一（当時ガンバ大阪）や2004年に当時Jリーグ史上最年少15歳10か月6日で公式戦出場を果たした森本貴幸（当時東京ヴェルディ）をはじめ、ガンバ大阪史上最高傑作といわれた宇佐美貴史（17歳14日で公式戦出場）、最近では久保建英などの逸材そろいです。

現在は裾野が広がり、プロ契約をしていなくても下部組織に所属していれば「2種登録」制度でプロの公式戦に出場可能となっています。

今回は、今現在のJリーグでどれだけの高校生Jリーガーがいるのか調べてみました。

※2022年8月5日時点

• 歴代最年少出場ランキングデータ出典
• トップチームに選手登録されている高校生は155選手プロ契約済の選手は7選手
  • Jリーグ2種登録選手
  • 天皇杯2種登録選手
• プロ公式戦に出場した高校生
• 各大会出場時間ランキング全大会トータルの出場時間
  • Jリーグ出場はたった10選手のみ
  • ルヴァンカップは14選手
  • 天皇杯は31選手
• 今後の試合観戦は高校生に注目！

歴代最年少出場ランキング

Jリーグが公式に最年少出場ランキングをまとめていました。

ddb.j-league.or.jp

J1～J3含めると、現在スペイン1部のレアルソシエダでプレーするMF久保建英が15歳5か月1日でFC東京U-23の一員としてJ3に出場したのが最年少です。また、得点に関してもJ3で久保が記録した15歳10か月11日が最年少です。久保は18歳でレアルマドリードに移籍し、最近レアルソシエダと5年契約の完全移籍が報じられました。まだ21歳なので、今後の活躍に期待です。

J1のみで見てみると、FW森本貴幸の15歳10か月6日が最年少。Jリーグカップ（当時ナビスコカップ、現ルヴァンカップ）も森本が最年少です。さらにJ1の最年少得点記録も15歳11か月28日に記録した森本の得点が未だに破られていません。また、森本も18歳で海外移籍しており、イタリア1部のカターニアなどでプレーしました。現在森本は34歳ですが、台湾でプレーしているようです。

J1では森本が、J3では久保が最年少出場（得点も）を果たしていますが、J2は東京ヴェルディのMF橋本陸斗が最年少（残念ながら最年少得点は橋本ではありません）。今年17歳になりましたが、出場機会はほとんどなく・・・。

データ出典

ひたすら選手名鑑を見て生年月日が2004年4月以降の選手を抜粋しました。もしかしたら抜けがあるかもしれませんが、J1からJ3合わせて119選手いました。

www.jleague.jp

また、Jリーグには選手登録していないが天皇杯には登録されている選手もいました。

天皇杯のみ選手登録されている現役高校生は天皇杯HPから抜粋しました。

www.jfa.jp

トップチームに選手登録されている高校生は155選手

Jクラブのトップチームに登録されている高校生は全部で155選手いました。

この中でも既にプロ契約している選手は7選手でした。2種登録されている選手は148選手。

2種登録はJリーグと天皇杯で別の扱いになっていて、天皇杯には2種登録されているけどJリーグでは2種登録されていない選手が一定数います。調べたら36選手いました。Jリーグで2種登録されていて天皇杯で2種登録されていないケースは今回はありませんでした。そのため、Jリーグに2種登録されている選手は112選手いますが、その全員が今回天皇杯でも2種登録されているため、天皇杯に出場できる高校生は155選手です。

プロ契約済の選手は7選手

高校生ながら既にプロ契約を結んでいる選手は7選手。

FW北野颯太についてはJ1でもたびたび試合に出場しているため知っている人も多いと思います。また、DF高井幸大についてはACLでトップチームデビューを飾り、話題になりました。札幌にも実はプロ契約済の高校生がおり、昨年のJ1最終節でプロデビューしています。

J2にもプロ契約済の高校生が3選手います。中でもMF橋本陸斗は中学3年生の時にJ2史上最年少でプロデビューしています。

しかし、プロ契約していると言っても必ずしも主戦場がプロの舞台というわけではありません。

たとえば、高井幸大はトップチームで練習を行い、ユースの試合に出場するという方針で今シーズン活動しています。もちろんプロの試合に帯同することもありますが、基本的には高円宮杯プレミアリーグやクラブユース選手権といった高校年代の試合で実戦経験を積んでいます。これはほかの選手にもいえることで、西野奨太や福井太智、安部大晴も普段はユースの試合で実戦経験を積んでいます。ユースの試合には帯同せず、トップチームの試合にのみ帯同している選手はおそらく北野颯太と橋本陸斗だけじゃないかと思います。

Jリーグ2種登録選手

ひたすら選手名鑑を見て2種登録されている現役高校生をまとめました。

既に述べたプロ契約済の選手は名前の前に☆マーク、来季のトップ昇格内定選手は名前の前に〇マークを付けてあります。

現在昌平高校サッカー部に所属しており来季FC東京へ加入内定しているMF荒井悠汰は、既にJリーグに2種登録されています。ほかにも高体連に所属している選手で来季Jクラブに加入内定している選手はいますが、既に2種登録されている選手はいませんでした。荒井悠汰は2月のルヴァンカップで既にトップチームデビュー済。規格外です。

☆：プロ契約済、〇：来季トップ加入内定

天皇杯2種登録選手

最初に述べたように、Jリーグに選手登録はされていなくても天皇杯の方で2種登録されている選手も多くいます。Jリーグの2種登録が0人でも天皇杯の方では大量に2種登録なんてクラブも割とありました。天皇杯のみ選手登録されている選手は36選手いました。

大抵は初戦の社会人相手に短時間出場させてみるというケースで、相手がプロではないというところで出しやすいという部分が少なからずありそうです。

今年の天皇杯では、ブラウブリッツ秋田は2回戦の東京ヴェルディ戦でユース選手を大量起用。60分から鈴木陽成、大友侑也を投入。さらに70分に岸部倖、80分に佐藤旺雅が出場し、試合終了時点で4人のユース選手がピッチに立っていました。また、この試合では東京ヴェルディの高校2年生橋本陸斗が先発していました（65分にバスケスバイロンと交代）

FC琉球U-18の幸喜祐心は2回戦の大宮戦の72分から出場しています。

ジュビロ磐田U-18のFW伊藤猛志、FW後藤啓介はベスト16の東京ヴェルディ戦の後半途中から出場して延長戦もフルで戦いました。

安部大晴（長崎）や内藤大和（甲府）はプロ契約済みなだけあって先発して長時間プレーしています。

セレッソ大阪の北野颯太は温存されているのかベンチ入りすらしていません。

意外だったのは大分の保田堅心。来季のトップ昇格は決まっているもののプロ契約はまだしていない状態ですが、2回戦のFC神楽しまね戦、3回戦のガンバ大阪戦にフル出場しています。背番号も26番と若いので、「本当に2種登録だよな？」と何度も確認してしまいました。

プロ公式戦に出場した高校生

今シーズン2種登録されている選手の中で実際に試合に出場した選手をまとめました。

ベンチ入りを含めればもっといますが、集計が大変なので今回は除外しました。たとえば、琉球の幸喜祐心は公式戦初出場こそ今年の天皇杯ですが、2020年からときどきJ2にベンチ入りしていました。

データを見ると、出場試合はルヴァンカップか天皇杯が多く、やはりJリーグへの出場はかなりハードルが高いですね。

各大会出場時間ランキング

各大会でどの選手がどれだけ出場しているのかランキングを作りました。

リーグ、ルヴァン杯、天皇杯全てに出場したのはFW南野遥海（ガンバ大阪）、MF楢原慶輝（鳥栖）MF、保田堅心（大分）のみ。大分は昨シーズンJ1に所属していたためルヴァン杯参加です。FW北野颯太（セレッソ大阪）は天皇杯への出場なし。

J2、J3はルヴァン杯がないのでリーグと天皇杯のみですが、MF橋本陸斗（東京ヴェルディ）、内藤大和（甲府）、安部大晴（長崎）の3選手が全大会に出場しました。やはりプロ契約している選手は強い。

川崎のDF高井幸大はプロ契約選手の中で唯一の国内主要大会の出場なしですが、ACLに出場しています。

全大会トータルの出場時間

Jリーグ、リーグカップ、天皇杯の出場時間をすべて合わせたトータルのランキングを以下に示します。今回は出場時間100分以上の選手に絞りました。

Jリーグ出場はたった10選手のみ

119人もの高校生がリーグに選手登録されていましたが、その中で実際に出場した選手はたった10選手しかいませんでした。やはりリーグ戦が一番ガチな大会なので、出場へのハードルは高いですね。

FW北野颯太（セレッソ大阪）が13試合364分出場とダントツです。MF保田堅心（大分）も5試合319分の出場。出場試合数では北野の半分ですが、出場時間は同じくらいになってます。

この中で愛媛FCのFW行友翔哉（ゆくとも とき）が3試合2得点を挙げています。1得点目はホームのいわきFC戦、75分に投入されて後半ATにゴール。2得点目はホームSC相模原戦、88分に投入されて1分後の89分に得点してます。出場時間は短いながらもしっかり結果を出しており、今後の活躍に期待したいところですね。

ルヴァンカップは14選手

ルヴァンカップ出場選手はリーグ戦よりも少し増えて14選手。

FC東京はルヴァンカップで経験を積ませる方針のようで、DF東廉太、MF荒井悠汰、FW熊田直紀は出場機会が長いですね。

FW北野颯太（セレッソ大阪）はリーグでは1試合あたり28分程度の出場時間でしたが、ルヴァン杯では64分/試合。やはりリーグよりも起用のハードルが低くなっています。

まあ、ルヴァンカップ自体が若手に出場機会を積ませることがメインの大会ですからね

天皇杯は31選手

相手はプロじゃない場合もあるので試合に出しやすいのでしょう。リーグでは試合終盤に交代出場というケースが多かったですが、天皇杯ではフル出場している選手も多くいます。

今後の試合観戦は高校生に注目！

今回、プロの大会に選手登録されている高校生をまとめました。

J1のクラブには2種登録選手が多く在籍しているのは予想通りでしたが、J2やJ3にも多くの2種登録選手がいることには驚きでした。

天皇杯やルヴァンカップは大詰めを迎えており、本気でタイトルを獲りに行くために高校生を出す余裕はなくなってきてしまうことが予想されます。リーグでも終盤戦になるにしたがって優勝争いや残留争いが激しくなるので、該当クラブでは出番が少なくなると思います。それでも試合に絡んでくる選手は本当にバケモノ。笑

また、どちらにも縁がないある意味安泰なクラブは未来投資のためにベンチ入りさせたり、試合終盤の1～2分の時間稼ぎのために起用する可能性はあるかもしれません。

試合前にメンバー表を確認して、高校生がベンチ入りしているかを確認するのは結構面白いですし、仮に入っていたとなると試合中にベンチの様子見ていつ出るかワクワクできるのでオススメです。

高校生たちの今後の活躍に期待しましょう！