選手権準決勝は静岡学園vs藤枝東。今季初対決です。静岡学園は珍しく準決勝でチアを動員。藤枝東は1,2年生の全校応援とのこと。

試合記録
スタメン
静学のフォーメーションは4-2-3-1。GK有竹拓海、4バックはDF松井翼、DF吉田俐軌、DF石川舞偉、DF松永悠輝。ボランチはMF杉田和心とMF足立羽琉。2列目はMF神吉俊之介、MF四海星南、MF藤原晃太郎。ワントップはFW坂本健悟。2年生トリオが全員スタメン。

藤枝東のスタメンは3試合連続同じ。GK宮崎真心、4バックはDF井上凱晴、DF寺田理宇、DF永井大智、DF大橋大洋。ボランチはMF鈴木睡蓮とMF南部陽哉。2列目はMF澤野翔祐、MF泉孝太郎、MF望月瑠斗。1トップはFW増田瑛斗。

試合経過
| 静岡学園 | 1(3PK5)1 | 藤枝東 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 得点 | ||||||
| 前半38分 | 11望月瑠斗 | |||||
| 3吉田俐軌(アシスト:21松永悠輝) | 後半40+2分 | |||||
| 交代 | ||||||
| 24足立羽琉 ②FC川崎CHAMP | → | 23北田優心 ③ガンバ大阪JY | HT | |||
| 14藤原晃太郎 ③フレスカ神戸 | → | 9佐々木雄基 ③川崎フロンターレU-15 | 後半19分 | |||
| 後半27分 | 12増田瑛斗 ②藤枝東FC | → | 9木全悠太 ③FC東京むさし | |||
| 後半37分 | 8南部陽哉 ③ヴィアティン三重 | → | 22原田音生 ②FC桜が丘 | |||
| 13杉田和心 ③静岡学園中 | → | 15加藤薫 ③静岡学園中 | 後半38分 | |||
| 後半40+6分 | 13澤野翔祐 ③FC LESTE | → | 16秋山航成 ③藤枝東FC | |||
| 8四海星南 ③FC東京深川 | → | 11前田一樹 ③静岡学園中 | 延長後半6分 | |||
| 21松永悠輝 ②湘南ベルマーレU-15 | 16落合咲蔵 ③静岡学園中 | 延長後半6分 | ||||
| SUBSTITUTE | ||||||
| GK17府川拓夢 | ③ | PSTC LONDRINA | GK17秋山龍之介 | ③ | 芦屋学園FC | |
| GK22尾原凱 | ③ | プレジール入間 | GK18吉田悠真 | ② | 藤枝東FC | |
| DF2提坂日葵 | ③ | 静岡学園中 | DF2山本旬 | ③ | FC LESTE | |
| DF4筒井龍之介 | ③ | 虎ジュニア | DF24橋本龍英 | ② | 京都サンガU-15 | |
| DF19林奏汰 | ② | グランパスみよし | MF14川口太崇 | ② | 藤枝東FC | |
| DF25村山陽紀 | ③ | 名古屋グランパスU-15 | MF15福地諒大 | ② | FC LESTE | |
| MF10篠塚怜音 | ③ | ジェフ千葉U-15 | MF19高士青也 | ① | FC ALONZA | |
| MF12山田悠太 | ③ | 清水エスパルスJY | MF20安岡海翔 | ③ | ソレアーダ高知 | |
| FW7宮本侑宕 | ③ | アルコバレーノFC | MF21野口佳音 | ③ | フェルボール愛知 | |
| MF25荻島虎鉄 | ① | FC LESTE | ||||
| FW23森田一颯 | ① | 藤枝東FC | ||||
| 合計 | 1人目 | 2人目 | 3人目 | 4人目 | 5人目 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 藤枝東 | 5 | 10泉 | 9木全 | 16秋山 | 6井上 | 1宮崎 |
| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 静岡学園 | 3 | 20神吉 | 15加藤 | 18坂本 | 23北田 | |
| ○ | ○ | × | ○ |
お互い立ち上がりはプレスが速く、球際の激しい展開。徐々に落ち着いて25分くらいからは静学が押し込むようになってきます。藤枝東はボールを奪ってショートカウンターを狙います。
前半30分過ぎから藤枝東が何本かショートカウンターで流れを引き寄せると、前半38分に藤枝東のコーナーキック。キッカーMF望月瑠斗が直接ゴールを狙い、先制点。GK有竹拓海は触りはしたものの弾き出すことができず。



このまま藤枝東が1点をリードしてハーフタイムへ。

静学はハーフタイムで2年生MF足立羽琉を下げてMF北田優心を投入。
後半も静学がボールを持ち、藤枝東が高い位置からプレスをかけてカウンターを狙う展開。高い位置でボールを奪い、MF泉孝太郎がドリブル突破からゴール前で2回フリーキックを獲得したり、MF望月瑠斗が後半10分までに2本シュート打つなどゴールへの積極性が目立ったのは藤枝東。
静学は後半19分、MF藤原晃太郎に代えてFW佐々木雄基を投入。佐々木はトップ下もしくは2トップの一角に入り、四海がボランチに落ち、北田が左SHへ。北田は内寄りにプレーし、サイドは松永が使うという風に見えました。佐々木は出場してすぐにシュートを放ち、積極性を見せました。
佐々木はこれが今大会初出場ですが、足首を負傷していたようです。春の高校選抜スペイン遠征ではビジャレアル相手に得点を決めたことでクラブの目に止まり、遠征終了後に1人スペインに残って練習参加していたらしいです。中継で言ってました。

後半27分、藤枝東はFW増田瑛斗が足を攣り、FW木全悠太に交代。

さらに後半32分、MF泉孝太郎が足を攣って一旦外に出て治療。交代はせずにプレーを続行しました。


後半37分、藤枝東ゴール前で静学がフリーキックを獲得したタイミングで、藤枝東はMF南部陽哉に代えて2年生MF原田音生を投入。

フリーキックのこぼれ球を北田が拾いますが、最後までいけずにコーナーキックに。このタイミングで静学はMF杉田和心に代えてMF加藤薫を投入。加藤は左SBに入り、松永を1列上げました。

コーナーキックは混戦になりましたが、GK宮崎真心が最後ガッチリ掴んでゴールならず。

後半ATは6分。後半AT2分、松永の蹴ったコーナーキックを坂本が合わせ、こぼれ球をDF吉田俐軌が頭で押し込んで静学同点。

後半AT6分、藤枝東はMF澤野翔祐に代えてFW秋山航成を投入。後半終了し、1-1で延長戦へ。


延長戦、中継で言われるまで気づきませんでしたが、藤枝東はMF泉孝太郎が右サイドにポジションを移してプレーしていたようです。

延長前半は静学が押し込み、藤枝東はなんとかクリアするも静学が回収する展開。藤枝東はなんとか無失点で凌ぎ切り、延長後半へ。
延長後半も静学が押し込む展開が続きますが、藤枝東も反撃。延長後半3分、木全のサイドからのパスをペナルティエリア内で受けたMF原田音生がシュートするも枠の上。延長後半4分、ハイボールを収めた木全がハーフラインから1人で持ち込んでシュート。
延長後半6分、四海と松永をそれぞれMF前田一樹とMF落合咲蔵へ交代。

この後も互いにチャンスを作りますが、1-1のままPK戦へ突入。
PK戦は藤枝東が全員決めたのに対し、静学は3人目のFW坂本健悟がまさかの枠外。藤枝東の5人目GK宮崎真心が最後しっかり決め、藤枝東が2年ぶりの決勝進出を決めました。


所感
いつも以上の力を出し切った藤枝東がPK戦までもつれ込んだ激戦を制し、インターハイに続いて決勝進出を決めました。
静学のドリブルに対して複数人で対応し、ボールをしっかり奪い切っているのが印象的でした。静学の注目は神吉俊之介のドリブルでしたが、対面の望月瑠斗や大橋大洋が上手く対応していました。ほかにも高い位置で静学のパスミスを奪ってショートカウンターを仕掛けるなど、かなりハマっていたと思います。

後半は脚を攣る選手が何人も出てきた中でなんとか守っていましたが、後半ATに同点弾を浴びての延長戦突入。正直延長戦に入ったら勝ち目はないと思っていましたし、唯一勝ち筋があるとしたらPK戦に持ち込むことだけと思っていましたが、まさか本当にPK戦に持ち込んで勝ってしまうとは。素晴らしいとしか言いようがないです。
この試合のMVPはMF望月瑠斗。普段守備を一生懸命やる選手という印象はありませんが、序盤神吉のドリブルを止める場面もありましたし(ありましたよね!?)、シュートも多く放ちました。なんと言っても先制点を決めたのが本当に大きかったです。準々決勝の藤枝明誠戦でも味方に合わせるボールを蹴る流れのフリーキックを直接狙ってポストに当てていましたが、まさか静学相手にコーナーキックを直接狙うとは。得点への意欲が人一倍ある選手ですが、その姿勢がようやく実った形。

次の試合は浜松開誠館。インターハイ決勝のリベンジマッチです。藤枝東は2020年の新人戦を最後に県大会優勝はなし。全国大会出場となれば2018年のインターハイ以来、選手権は10年ぶりです。過去5年間で6回県決勝を戦いましたが、全て準優勝。来年創部100周年を迎えるということも相まって、今年こそという気持ちは強いはず。期待大です。
静学は選手権3連覇ならず。この試合、ドリブルで上手く打開することができず、後半ATのセットプレーからの吉田のゴールのみに留まりました。ドリブルで上手くいかないならパスを繋いで打開していけば良かったのですが、そういうのはほとんどなかった気がします。藤枝東としても足を攣る選手が複数人出るくらいギリギリだったので、パスを回して走らされる方がキツかったかもしれません。ただ、静学は絶対最初にボールを足元に止めるのでワンテンポ遅く、藤枝東に対応する時間を与えていたように思います。ハーフタイムでは川口監督からもパスを繋いでリズムを作れという指示が出ていたようで、途中から入ったFW佐々木雄基はワンタッチでのプレーを意識していたように見えましたが、チーム全体で共有するところまではいかず。
FW坂本健悟はポストプレーでいつも通り安定感を見せていましたが、シュートを打てていないところが気になりました。坂本はワンタッチゴーラーであり、プレミアで決めた得点はすべてPKかワンタッチゴールによるものです。その気質もあってか、周りに自分よりも状態の良さそうな選手がいるとその選手にパスを出してしまっていました。個人的には多少強引でも自分で決めに行こうとする気概が必要だったのかなと思います。FW神田奏真もインターハイ県大会決勝では自分でドリブルで持ち込んで決勝点を決めましたし、そういうパターンも身に付けたら手の付けられない選手になると思います。
静学は今年、新人戦後にDF提坂日葵が怪我で長期離脱したり、選手権でもMF山縣優翔やMF篠塚怜音が怪我、佐々木も復帰直後となかなかベストメンバーを組めない苦しい状況でした。全国大会に出れていれば見れたかも・・・と思うとかなり惜しい気持ちにはなりますが、こればかりはしょうがないですね。
プレミアは残り4試合。残留争いの真っ只中で、降格圏まで勝点2差。最後しっかり残留を決めてほしいところ。
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