3連休3日連続プレミア観戦です。場所は横浜FCのホームスタジアムであるニッパツ三ツ沢球技場。横浜FCユースと高体連の雄青森山田との試合です。

横浜FCユースの試合は大抵保土ヶ谷公園サッカー場かLEOCトレーニングセンターのどちらかですが、たまにニッパツでやるようです。J下部組織はたまーにホームゲームをトップの使うスタジアムでやるんですよね。普段7000〜8000円とかするような良い席でタダで見れるのは最高。
解放されていたのはメインスタンドのみ。ホームのゴール裏には大量の弾幕。

青森山田側は特に何もなかったと思います。ただ、さすがに青森から来ている人はほとんどいないと思いますが、青森山田のファンの人たちはかなりの数いました。

横浜FCの方は隅っこにサポーター団体の人たちが鳴り物ありで応援していました。なんなら上裸のお兄さんもいました。
試合を見に行ったことのある人ならわかると思いますが、試合前や後半開始前などに歌われる「横浜なら手をたたこう」がユースの試合でも歌われてました。また、試合中もほとんどずっとチャントを歌っており、Jリーグさながらの雰囲気でした。

試合記録

スタメン
横浜FCユースのスタメンは以下の通り。4-4-2で、GKは身長192センチの大型GK櫻井斗真。DFは右から松尾蒼大、秦樹(はた じゅい)、大川萊(らい)、佃颯太。ダブルボランチは管野心人(まなと)と2年生の椿渥裕。右SHに矢内翔磨、左SHに2年生鈴木晴弥。2トップは2年生コンビの福岡湧大と黒木星南。

目玉は既にトップチームとプロ契約を締結しているDF秦樹(はた じゅい)。秦は昨年末にプロ契約を結び、今年はトップチームで練習をして週末はユースの試合に出るルーティーンとなっています。今夏川崎フロンターレからトッテナムに移籍した日本代表DF高井幸大と同じパターンです。プレミアには全試合フルタイム出場しています。
ちなみに、FW前田勘太朗も既にプロ契約済みの選手の1人。昨年の夏にプロ契約し、昨年のうちにトップチームデビューはしていた逸材。今シーズン序盤はトップでの出場機会がありませんでしたが、9月に入ってからルヴァンカップ2試合出場、9/12のJ1町田ゼルビア戦にも途中出場していました。一応プレミアのメンバーに登録されていたのでワンチャン出場ないかと期待していましたが、さすがにありませんでした。
ちなみに、前田勘太朗はヤングサッカーフェスティバルのU-16静岡県選抜vsU-16東京選抜で見ているのですが、まさかここまでの選手になるとは。佐藤龍之介の時もそうでしたが、正直中学年代の1試合を見たくらいじゃ全然わかりませんね・・・。

青森山田も4-4-2。GKはJ1ファジアーノ岡山への来季加入が内定している松田駿。DFは菱田一清、大場光翔、月舘汰壱アブーバクル、福井史弥。月舘はU-18日本代表。ダブルボランチは長谷川滉亮と2年生小澤丈。右SHが杉山大起、左SHが麓莱凛。2トップが深瀬幹太と井上愼太。10番のMF小山田蓮はベンチ外。


スタッツ
横浜FCユース | 1-1 | 青森山田 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
後半 | 前半 | チーム合計 | 前半 | 後半 | ||
6 | 4 | 10 | シュート | 8 | 4 | 4 |
11 | 6 | 17 | GK | 8 | 5 | 3 |
3 | 1 | 4 | CK | 6 | 3 | 3 |
5 | 4 | 9 | 直接FK | 4 | 0 | 4 |
1 | 0 | 1 | 間接FK | 2 | 0 | 2 |
1 | 0 | 1 | (オフサイド) | 2 | 0 | 2 |
0 | 0 | 0 | PK | 0 | 0 | 0 |
試合経過
横浜FCユース | 1-1 | 青森山田 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
得点 | ||||||
岩崎亮佑(アシスト:10佃颯太) | 66分 | |||||
90+3分 | 5大場光翔 | |||||
交代 | ||||||
HT | 13井上愼太 ③インテルナシオナルジャパン | → | 11桑原唯斗 ③前橋FC | |||
55分 | 8麓菜凛 ③青森山田中 | → | 14今田匠 ③青森山田中 | |||
14矢内翔磨 ③横浜FC戸塚 | → | 8岩崎亮佑 ③横浜FC JY | 60分 | |||
72分 | 9深瀬幹太 ③青森山田中 | → | 15藤原栄之郎 ③青森山田中 | |||
26鈴木晴弥 ②横浜FC JY | → | 18津﨑蒔愛 ③横浜FC戸塚 | 83分 | 7長谷川滉亮 ③青森山田中 | → | 6島津亮太 ③フェルボール愛知 |
83分 | 20小澤丈 ②前橋FC | → | 18斉藤雅人 ②青森山田中 | |||
2松尾蒼大 ③横浜FC JY | → | 3芹澤悠 ③横浜FC JY | 90+1分 | |||
SUBSTITUTE | ||||||
GK31山岸克斗 | ② | 横浜FC JY | GK12佐竹虹輝 | ③ | フォーリクラッセ仙台 | |
DF13家田唯白 | ③ | 横浜FC JY | DF23山田悠一郎 | ③ | フェルボール愛知 | |
DF25小島頂嵯 | ② | 横浜FC JY | ||||
MF7秋元颯太 | ③ | 横浜FC JY |
ハーフタイムに青森山田は2トップの一角をFW井上愼太からFW桑原唯斗へ交代。55分にもMF麓莱凛をMF今田匠に交代。
横浜FCは60分、右SHのMF矢内翔磨をU-18日本代表MF岩崎亮佑に交代、岩崎を2トップに入れてFW福岡湧大を右SHへ。

岩崎投入から6分後、ついに先制点が生まれます。DF秦樹が青森山田のプレスを剥がして前進すると左サイドのMF鈴木晴哉にロングフィード。鈴木がタメを作るとアンダーラップしてきたDF佃颯太に縦パス。佃がダイレクトでクロスを入れると中に走り込んできた岩崎が合わせました。


追いつきたい青森山田は83分、DF島津亮太をセンターバックに投入し、DF大場光翔を最前線へ。

後半ATは6分。横浜FCはパスを回して時間を使おうとしますが、93分、左サイドの高い位置からDFラインまでボールを下げ、大川からGK櫻井へ下げるときにバックパスが弱くなり、そこを見逃さなかった青森山田の大場がボールを奪い同点へ。
残り時間で横浜FCは勝ち越しを目指しましたが得点には至らず。あと少しのところで1-1の引き分けで終わりました。
所感
横浜FCはセンバのDF秦樹とDF大川萊を中心にGK櫻井斗真も絡めて丁寧にパスを繋ぐスタイル。


また、左SBの10番佃颯太は超攻撃的サイドバック。攻撃の時のポジションが基本1つ高めで、サイドをドリブル突破することもあれば中に入ってインサイドハーフのような位置でプレーすることもあって特徴的。アオアシの青井葦人か?と思いました。しかも両足でプレースキックを蹴れるのはすごすぎ。横浜FCの先制点は佃のアシストから生まれています。



佃が自由にやっている間はボランチの椿渥裕が左SBの位置にカバーに入っていました。この選手も世代別代表の実力者ですが、黒子役もできる良い選手。

サイドハーフの矢内翔磨と鈴木晴弥は縦への突破力があり、良質なクロスを何本も供給していました。


後半に途中出場したMF岩崎亮佑はボールタッチの感覚が別格でした。語彙がアレですが、雰囲気が明らかに周りと違いました。間違いなく将来プロ入りすると思います。

横浜FCユースは見ていてめちゃくちゃ上手くて強いなと思っていましたが、第13節終了時点で9位。思いのほか下の順位です。今季の横浜FCは13試合15得点でプレミアEASTの中では下から3番目の数字であり、得点力不足が原因の模様。昨季は庄司啓太郎と前田勘太朗がともに得点ランキング8位の7得点を挙げていましたが、今季得点量産を期待された前田はトップ帯同でプレミア出場ゼロ。ストライカー不在というところが大きいんだと思います。この状態を打破できる選手が現れるか。
青森山田は横浜FCとは対照的にロングボールを多用していました。特に序盤はその傾向が強く、DFラインに余裕があってもわざわざGK松田駿まで戻し、松田からロングボールを供給というケースがかなり多かったです。結果、横浜FC陣内でプレーする時間を長くすることに成功していました。ただ、ロングボールはほぼ全て弾き返されていました。横浜FCのセンバの大川萊は186センチの高身長で、競り合いめちゃくちゃ強かったです。

横浜FCはセンバの大川と秦を中心にGK櫻井斗真も絡めて落ち着いてショートパスを繋ぐスタイル。前日に見た川崎フロンターレU-18と市立船橋の試合を見ていても思いましたが、基本的にユースはDFラインからショートパスを繋いでポゼッションしていくスタイルを志向していて、高体連はロングボール主体のスタイルのことが多いのかなと思いました。高体連のチームはずっとロングボールを蹴っているわけではなくて試合が進んでいくと繋ぐようにはなるんですけどね。そう思うと静学は高体連のチームとしてはやはり異端だなと思いました。また、横浜FCはロングボールの使い方も上手く、左サイドから対角のロングフィードを出して右サイドの矢内が抜け出す場面もかなりありました。さらに個人個人の対人の強さも半端なく、1対1の場面で絶対に抜かれないし、それどころかそもそもフェイントに全然引っかからないのは見ていて能力の高さを感じました。この試合ではもったいない失点で引き分けましたが、今後横浜FCは浮上してくるのではと思います。
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