プレミア後半戦、インターハイ準優勝の大津相手にアウェイで0-3と快勝して素晴らしいスタートを切った静学。今節は2位サガン鳥栖U-18とホームで対戦します。
試合記録

スタメン
スタメンは前節大津戦と同じ。ゴールを守るのはU-17日本高校選抜GK有竹拓海。DFは右からU-16静岡県選抜DF松永悠輝、DF吉田俐軌、DF筒井龍之介、中学時代U-15日本代表経験のあるDF小田切颯佑。ダブルボランチはMF四海星南とU-17日本高校選抜MF篠塚怜音。サイドは右にMF藤原晃太郎で左に全中優秀選手のMF落合咲蔵。2トップはFW上田悠世と2年生FW坂本健悟。

第5節サンフレッチェ広島ユース戦から負傷離脱していたDF松永悠輝が大津戦から復帰。DF小田切颯佑は1回目の登録変更でメンバー入りし、アビスパ福岡U-18戦から3試合連続スタメンとなりました。両SBが2年生という形になりました。また、WGには福岡U-18戦から3年生のMF落合咲蔵がスタメンに定着しています。
気になるのは、夏季中断前にレギュラー格だった選手たちが中断明けからベンチ入りすらしなくなったこと。DF塚田哲也、MF山縣優翔、MF北田優心、MF神吉俊之介、FW佐々木雄基、MF山田悠太の行方が不明。山縣は福岡U-18戦でスタメン出場したものの、それを除けば全員ベンチ入りすらしておらず、北田に至ってはプレミア登録メンバーからも外れました。
ちなみに、この試合ベンチに入ったGKは、2回目のメンバー変更でメンバー外になったはずの府川拓夢。HPを見たらしれっと追加されていました。怪我人が多すぎるとかコロナが流行っているとか、なにか事情があったりするのでしょうか。

サガン鳥栖U-18のスタメンは以下のとおり。
GKはU-17日本代表エジケ唯吹(いぶき)ヴィンセントジュニア。フォーメーションは3-4-2-1で、3バックは右から22年U-15日本代表候補DF鈴木悠希、23年U-17日本代表DF黒木雄也、23年U-15日本代表DF鈴木颯真。ダブルボランチはU-18日本代表MF東口藍太郎とMF原口幸之助、ウイングバックは右にDF岩村淳之介で左にFW水巻時飛(ときと)。シャドーはFW真殿(まどの)京佑とMF池田季礼(ときあ)、ワントップにU-17日本代表FW谷大地。

フォーメーションの図を見てわかるように世代別代表経験者がスタメンに6人入っています。プレミアで優勝争いするのも納得。また、2種登録選手は5人おり、来季トップ昇格が内定しているU-22日本代表FW新川志音以外は全員スタメン。
- 2種登録
- FW10新川志音(3年)※トップ内定
- DF3黒木雄也(3年)
- MF8東口藍太郎(3年)
- GK12エジケ唯吹ヴィンセントジュニア(2年)
- MF5池田季礼(3年)
ちなみに新川はこの試合ベンチ入りすらしていませんが、トップの試合に出場して決勝点を決めてました。

新川は今季J2で24試合に出場して3得点。高校3年生でU-22日本代表に選ばれている時点でお察しですが、スーパーです。早くプロ契約してあげてください。

スタッツ
静岡学園 | 2-2 | 鳥栖U-18 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
後半 | 前半 | チーム合計 | 前半 | 後半 | ||
0 | 4 | 4 | シュート | 11 | 3 | 8 |
4 | 10 | 14 | GK | 4 | 3 | 1 |
1 | 3 | 4 | CK | 5 | 2 | 3 |
6 | 1 | 7 | 直接FK | 17 | 8 | 9 |
2 | 3 | 5 | 間接FK | 1 | 0 | 1 |
2 | 3 | 5 | (オフサイド) | 1 | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 | PK | 2 | 0 | 2 |
試合経過
静岡学園 | 2-2 | サガン鳥栖U-18 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
得点 | ||||||
18坂本健悟(PK) | 15分 | |||||
22落合咲蔵(アシスト:18坂本健悟) | 40分 | |||||
59分 | 6原口幸之助 | |||||
85分 | 8東口藍太郎(PK) | |||||
交代 | ||||||
13松永悠輝 ②湘南ベルマーレU-15 | → | 32加藤薫 ③静岡学園中 | HT | |||
71分 | 19谷大地 ②FCソウルU-15 | → | 9山村チーディ賢斗 ③サガン鳥栖U-15 | |||
71分 | 22真殿京佑 ②ガンバ大阪門真 | → | 21大野廉門 ②サガン鳥栖U-15 | |||
23藤原晃太郎 ③フレスカ神戸 | → | 15松井翼 ③静岡学園中 | 75分 | |||
79分 | 11水巻時飛 ③フェルボール愛知 | → | 2田中佑和 ③サガン鳥栖唐津 | |||
22落合咲蔵 ③静岡学園中 | → | 20林奏汰 ②グランパスみよし | 85分 | |||
SUBSTITUTE | ||||||
GK29府川拓夢 | ③ | PSTC LONDRINA | GK42久富一寛 | ② | サガン鳥栖唐津 | |
DF34村山陽紀 | ③ | 名古屋グランパスU-15 | DF15山口耀琉 | ③ | サガン鳥栖U-15 | |
MF6前田一樹 | ③ | 静岡学園中 | MF18加藤孝一朗 | ② | 松本山雅U-15 | |
MF16杉田和心 | ③ | 静岡学園中 | FW13下田優太 | ③ | サガン鳥栖U-15 | |
退場 | ||||||
3吉田俐軌 | 82分 |
前半流れを掴んだのは静学。大雨でボールが止まる中、早い段階でロングボール戦術にシフト。鳥栖DFラインの裏にロングボールを蹴ってFW坂本健悟をひたすら走らせる戦い方をしました。その結果、前半15分にペナルティエリア右のロングボールの処理に迷った鳥栖DFからボールを奪った坂本が倒されてPKを獲得、坂本自らがしっかり決めて静学が先制。その後もロングボール戦術に振り切れない鳥栖相手に押し込んでペースを握りました。前半40分には鳥栖ゴール前の混戦からFW上田悠世が放ったシュートが左ポストで跳ね返って坂本の足元に。ここで坂本はシュートを打たずに冷静にMF落合咲蔵にパスして追加点。2位の鳥栖相手に前半で2点リードして折り返しました。
しかし後半、鳥栖も静学と同じ4-4-2に布陣を変え、ロングボール主体の戦い方に変更。本職DFの岩村淳之介をFWに配置して裏へ走らせるやり方に変えてきました。

後半14分、左サイドから岩村が折り返し、GK有竹拓海の目の前でボールを受けたFW谷大地がシュートを放つも有竹がブロック、こぼれ球に反応したMF東口藍太郎を静学DFが倒してしまいPKに。DF原口幸之助のシュートは有竹がセーブしますが、こぼれ球を原口に詰められて1点差に。
さらに後半37分、東口の右サイドからの浮き球のクロスに対してDF吉田俐軌がパンチングのような形でハンドをしてしまい、2枚目のイエローで退場。このプレーで得たPKを東口が自ら決めて鳥栖が同点に追いつきました。
この後、静学はDF林奏汰を投入し、4-4-1にして引き分け狙い。鳥栖のロングスローを凌ぎ切り、なんとか2-2の引き分けで終えました。

所感
大雨でボールが止まり、両チーム目指している戦い方ができないなか、PK3本で痛み分けとなりました。残留を目指す静学としては2点リードを守りきれなかったとはいえ貴重な勝点1、優勝争いしている鳥栖U-18からすれば下位相手に勝点2を取りこぼした試合となりました。
両チームとも水溜まりでボールが止まると見るや微妙に浮かせてパスを出すなど両チーム技術の高さを見せておりさすがでした。しかし、やはり雨でボールが止まる状況での試合は難しかったようで、前半にはロングボールのバウンドが伸びてGKエジケ唯吹ヴィンセントジュニアの頭を越えてあわやゴールという場面があったりしました。
静学は普段通りのドリブルができないと見るや早くもロングボールで坂本を走らせる戦術にシフト。普段はポストプレーが魅力の坂本ですが、この試合はかなり精力的に走り回り、得点にも絡みました。ポストプレーもやはり抜群に上手く、ボールの勢いを完全に殺した優しいトラップやダイレクトパスを連発。さらにゴール前で冷静にパスして得点をアシストし、1G1Aの素晴らしい活躍を見せました。これでリーグ5得点で得点ランキング9位。FW神田奏真が2年生の時に10得点だったので、残り9試合で目指せ2桁という感じでしょうか。高卒プロ入りできそうなポテンシャルは既に十分感じられます。



2点目を決めたMF落合咲蔵は3試合2得点。前半戦はプリンスリーグが主戦場でしたが、ここに来て主力に食い込んできました。この試合ではドリブルを披露できませんでしたが、しっかり結果を出しています。昨年のMF原星也のように定着できるか楽しみです。


順位

優勝争いしている鳥栖は今回の引き分けで勝点を1しか伸ばせず。帝京長岡に3-0で勝利したヴィッセル神戸U-18との勝点差は5に開きました。
残留争いの渦中にいる静学は今日勝てれば8位浮上となりましたが、引き分けのため10位のまま。ただ、勝点1を積み上げることに成功したため、東福岡、アビスパ福岡U-18が勝利しても今節での順位の入れ替わりはありません。次節はアウェイで東福岡との6ポイントマッチ。東福岡は前節神村学園に0-6の大敗を喫しており守備の立て直しが急務ですが、ここを上手く突けるか。
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